
株式会社オールフロンティアが提供する「足場王」について
建設現場向けの仮設資材のレンタルおよび販売を中心に事業を展開し、複数の拠点を通じて全国の建設・工事現場を支えるサービスを提供している。レンタルと販売の双方を組み合わせた柔軟なサービスを特徴としており、顧客の工期短縮や資金繰りの改善といった現場ニーズに応える形で事業を拡大。
同社の事業は、資材の貸出、追加手配、返却といった一連の流れを日々大量に処理する業務構造を持ち、複数拠点にまたがる在庫管理や請求処理など、多数の業務が密接に連携する点に特徴がある。
現場のニーズが事業を進化させてきた
今回の取り組みの出発点となった背景について教えてください。

当社の事業は、建設現場で使用される仮設資材のレンタルおよび販売を中心としたものです。建設現場では、工期の短縮やコスト削減が常に求められています。その中でお客様から求められていたのは、「必要なときに、必要な分だけ利用したい」というニーズでした。
従来のように資材を購入する方式では、初期費用が大きくなり、資金繰りの負担も増えます。しかしレンタルであれば、必要な期間だけ利用できるため、費用面でも柔軟な対応が可能になります。また、工事は計画通りに進むとは限りません。たとえば、当初100本の資材を貸し出した後に追加で必要になったり、逆に一部を先に返却したりといったことは日常的に発生します。
こうした柔軟な対応を可能にするため、当社ではレンタルと販売を組み合わせたサービスを展開してきました。その結果、事業は順調に拡大し、取扱量も拠点数も増加していきました。しかし事業の拡大とともに、業務の複雑さも急速に増していきました。
事業拡大が招いた業務の複雑化
事業の拡大とともに、どのような課題が見えてきたのでしょうか。
取扱量の増加とともに、在庫管理や貸出管理、請求処理などの業務が急速に複雑になっていきました。特に大きかったのは、多拠点に分散した在庫の管理です。どの拠点にどの資材があるのか、どの資材が貸し出されているのかを正確に把握することが重要でしたが、既存の仕組みでは全体像を把握することが難しい状況でした。
また、レンタル業務特有の流れも、業務を複雑にしていました。たとえば、100本貸し出した資材のうち、50本だけ先に返却され、残りは後日返却されるといったことは日常的に発生します。さらに途中で追加の貸出が行われることもあり、一つの取引の流れは決して単純ではありません。
こうした状況の中で、既存のパッケージでは対応しきれない部分が増えていきました。その結果、Excelによる管理や手作業による処理が増え、同じ内容を複数の場所に入力する二重入力も発生するようになりました。業務が増えるたびにExcelの数も増え、次第に全体の流れを把握することが難しくなっていきました。このままでは、業務の効率だけでなく、正確性にも影響が出かねないという危機感を持つようになっていきました。
パッケージでは解決できなかった理由
既存のパッケージでは対応が難しかったとのことですが、どのような点が課題だったのでしょうか。

これまでにもいくつかのパッケージを検討しましたが、当社の業務に完全に適合するものはありませんでした。最大の理由は、レンタル業務特有の流れにありました。一つの取引の中で、貸出・追加・部分返却・残り返却といった複数の動きが重なるため、単純な売買モデルを前提とした仕組みでは対応が難しい場面が多くありました。さらに、複数の拠点をまたいで資材が移動することもあり、在庫の所在や利用状況を正確に把握することが求められていました。
こうした業務の実態を踏まえると、既存の仕組みを無理に当てはめるのではなく、業務の流れそのものに合わせて仕組みを考える必要があるという認識が強くなっていきました。ただし当初の段階では、「こういうシステムを作りたい」という明確な仕様があったわけではありませんでした。むしろ、「こういうことができれば業務が楽になるのではないか」という、“もやもやした要望”が数多く存在している状態でした。
そのため、最初から明確な依頼を出すというより、「こういう業務があるのだが、どう整理していけばよいか」という相談に近い形で話を進めていったことを覚えています。
「依頼ではなく相談」から始まった取り組み
プロジェクトはどのように進んでいったのでしょうか。
今回の取り組みは、最初から仕様をまとめて依頼する形ではありませんでした。まずは現場で実際にどのような業務が行われているのかを確認し、その流れを一つひとつ整理していくところから始まりました。
当社の業務はレンタルと販売が混在しており、さらに複数の拠点にまたがって資材が動いています。そのため、表面的な業務だけを見ても、本当の課題は見えてきません。
実際の打ち合わせでは、現場担当者が中心となり、日々の業務の流れや困っている点について具体的に説明する機会が多くありました。その中で、「こういう機能が欲しい」という話ではなく、「この業務をどう整理すれば全体が良くなるのか」という視点で議論が進んでいきました。結果として、単なる仕組みの導入ではなく、業務そのものを見直す取り組みへと発展していきました。
現場担当者の存在が成功を支えた
プロジェクトを進める上で、重要だった点は何でしょうか。
今回の取り組みで非常に大きな役割を果たしたのが、現場担当者の存在でした。当社では、社長が細かな業務の運用まで直接関与するのではなく、現場を任せるという方針を取っています。そのため、日々の業務を最もよく理解しているのは、現場担当者でした。
実際の業務の流れや困っている点を具体的に説明できたことが、業務整理を進める上で大きな助けになりました。現場の実態を正しく理解することができたからこそ、現実に使える仕組みを形にすることができたのだと思います。
Excel中心の運用からの脱却
取り組みの結果、どのような変化がありましたか。
最も大きな変化は、Excel中心の運用から脱却できたことでした。これまでは複数のExcelを使いながら管理していた業務が、ひとつの仕組みの中で整理されるようになりました。その結果、同じ内容を何度も入力する必要がなくなり、業務の効率が大きく向上しました。
また、在庫や貸出状況を一元的に把握できるようになったことで、業務の見通しも立てやすくなりました。単に作業が楽になったというだけではなく、業務全体の流れが整理され、ミスの発生も減っていったことを実感しています。
事業の成長を支える基盤として
今回の取り組みを振り返って、どのような印象をお持ちですか。
今回の取り組みは、単なる仕組みの導入ではなく、事業の基盤を見直す取り組みだったと感じています。現場の業務を丁寧に整理しながら進めていったことで、当社の業務に合った形で仕組みを整えることができました。また、業務の流れを一緒に整理しながら進めていく姿勢には、大きな安心感がありました。
単に機能を実現することだけでなく、業務全体をどう良くしていくかという視点で関わってもらえたことが、今回の取り組みを成功に導いた大きな要因だったと感じています。


















