顧客事例-経済法令研究会様voice_khk

情報システム部 部長 加納 美奈氏、営業推進部 次長 七島 意明氏にオーシャン・アンド・パートナーズにシステム開発を依頼した経緯とその効果について詳しく聞きました。

 経済法令研究会について

 

株式会社 経済法令研究会は、日本を代表する金融機関向け教育企業の1つです。

金融業務の基礎知識を学ぶための教育サービスを、書籍、通信講座、セミナー、検定試験など様々な形式で提供しています。特に「銀行業務検定試験」は、すでに50年以上の歴史を持ち、全国ほぼすべての金融機関において、人事研修・評価の1つとして活用されており、累計受験申込者数1000万人を超えています。

創業1957年(昭和32年)、従業員数156名。

 

(※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます)

 

基幹システムを8年ぶりに刷新

経済法令研究会はオーシャン・アンド・パートナーズにどんなシステム開発を依頼したのですか?

経済法令研究会では、オーシャン・アンド・パートナーズに、「自社の基幹システムの刷新(全面的な作りかえ)」を依頼しました。概要は次のとおりです。

 

項目 内容 備考
システム内容

通信講座や検定試験など教育サービスの「販売管理」「顧客管理」「サービス提供状況の管理」

金融機関および一般個人向け

外部との連携

テキストや書籍などを送付する外部企業のシステムとデータ連係

注文発生後ただちに送付先の顧客情報を送信

他の依頼業務

Webサイトの刷新(スマートフォン対応)を依頼

レスポンシブデザイン

構築スケジュール

-コンサルティング・基礎設計    2015年8月~2016月3月

-詳細設計           2016年4月~2016年7月

-開発・テスト           2016年8月~2017年10月

-稼働開始           2017年11月

 

従来システムでの課題

今回のシステムを刷新することにした経緯、および従来の課題について教えてくだい。

以前のシステムは、8年前に作ったもので、それから7年間、必要に応じて機能追加を重ねてきましたが、時代の流れとお客様のニーズにより、次のような問題が生じ、機能の追加では対応できなくなってきました。

 


課題1.「1つの商品に2つのシステム」 

 

システム開発当初、「個人向け販売」を想定し開発しましたがその後、顧客の要望に応じて「法人向け販売サイト」を別サイトとして追加しました。これにより、「一つ商品の販売なのに、システムは個人用、法人用の2通り」という構成となりました。システムが2つということは、社内の業務も2通りに分かれることになり、きわめて非効率でした。またお客様も、両サイトに登録した場合、2つのID、パスワードを管理しなければならず、非常にご不便を強いる結果になりました。 

 


課題2.「マイページ」 

 

毎年、定期的にご購入いただいているお客様に対し、購入履歴や、ご購入いただいた商品の追加情報をお知らせする「マイページ」機能が必要と考えました。しかしながら従来のシステムでは情報を集約する機能がなく、構造上追加することが難しいため、システム自体を抜本的に作り直す必要がありました。 

 


課題3.「発送手配の合理化」

 

教材の発送会社に、発送先となる顧客データを送るプロセスが自動化できておらず、事実上「手作業」で処理していました。

 


課題4.「セキュリティ」

 

以前のシステムのセキュリティは、開発当初2010年の時点では必要十分な水準にありました。その後も改良を重ねてまいりましたが、時代の要請とともに、抜本的な再構築に乗り出す時期を探っていました。

 


これら積年の課題を解決するべく、2014年に「基幹システムおよびホームページを全面刷新すること」を決めました。次いで、既存取引先やオーシャン・アンド・パートナーズなど数社を候補として、システム開発を依頼するIT企業の比較検討を行いました。

 

 

開発を依頼する企業に求めた要件

ITベンダーを選定した際の比較基準、求めた要件を教えてください。

候補企業については以下の要件にもとづき比較検討しました。

 


基準1.「課題解決志向であること」 

 

「ウチは何ができます」「これをやります」と自社仕様をアピールするのではなく、「顧客の問題を解決すること」を最重視する姿勢。「ITシステムを開発・納品する」のではなく、問題解決そのものを納品物と見なす、そんな企業姿勢であることを求めました。 

 


基準2.「ヒアリング・設計を重視していること」 

 

真に課題を解決するには、正しいプロセスを踏む必要があります。大きくは次のとおりです。

  1. 「当社の業務内容を完全に理解すること」
  2. 「当社のお客様である金融機関および一般個人のお客様の要望、性向を理解すること」
  3. 「その上で、現状システムにどんな課題があるかを分析すること」
  4. 「課題の根本解決のために最適な仕様を提案をすること」

このプロセスで最も重要なのは、1~3の「現状分析、課題分析」です。開発を依頼する企業には、「ヒアリング、分析」を重視し、そこに十分な時間をかける姿勢があることを求めました。  

 


基準3.「顧客本位のコミュニケーション能力があること」 

 

当時、弊社には情報システム部門が存在せず、ITの知見と経験を持った社員が不足していました。これは「システム開発を依頼するとき要求仕様書(RFP)をベンダーに提示するのが困難」ということを意味しています。

 

RFPが出せない以上、開発プロジェクトは、ITベンダーに相談しながら、ある意味「手取り足取り」の形で進行していくことになりますが、果たしてどこまで頼りきりになって良いのかという疑問も生じます。最悪の場合、ITベンダー都合で開発が進み、気がついたら不本意なシステムが完成していたということがあるからです。

 

これを避けるには、やはり相手企業の人柄ならぬ企業柄を見極めるしかありません。私たちの業務を理解し、問題解決に全力を尽くしてくれる会社、難しい言葉で丸め込もうとせず、納得いくまでとことんコミュニケーションを取ってくれる会社、初歩的な質問にも分かりやすく答えてくれる、そんな会社を選ぶ必要がありました。  

 


基準4.「弊社の業務への理解力があること」 

 

弊社の事業では、書籍販売、通信講座、検定試験など、ジャンルや形態が異なる教育サービスを提供しており、これらすべての商品をWeb販売するため、業務の流れやシステム要件が複雑になります。さらに企画、販売、広告宣伝など多岐に渡る業務をすべて連携させる必要があります。こうした弊社の業務形態をよく理解し、かつインターネット時代の時流に見合う先進性を備えた開発企業を求めていました。 

 


基準5.「費用の合理性、実績」 

 

弊社の事情、予算を理解し、それに合わせて合理的な価格が提示されることを求めました。また、今回のような中規模案件および、レスポンシブデザインのWebサイト制作において十分な実績があることも大事なポイントの1つでした。 

 


上記の基準のもと、各候補各社を比較検討したところ、オーシャン・アンド・パートナーズが、弊社が求める要件を最も満たしていると確信できたので、開発を依頼させていただくことといたしました。

同社は特に基準2.「設計重視」、基準3.「顧客本位のコミュニケーション」の点で特に優れた感覚をお持ちでした。

 

 

オーシャン・アンド・パートナーズへの評価

実際にシステム開発を依頼してみての、オーシャン・アンド・パートナーズの仕事品質への評価をお聞かせください。

オーシャン・アンド・パートナーズは当初の期待通り、前段階のヒアリングと設計に徹底的に時間をかけてくれました。

 

増改築の方式を取ると、あとあと面倒なことになる、それは今までの経験で身に沁みていました。完成してから大変な思いをしないためにも、最初の段階で当社の業務内容、課題、要望をすべて伝え切ることが重要。それが当社の思いでした。

 

同社はそれに応え、ヒアリング、分析に半年をかけてくれました。毎週、テーマを定め、関連部門が集まって討議し、それをもとに仕様を固めていくのです。オーシャン・アンド・パートナーズは毎回、私たちと真剣に議論してくれました。ここまで真剣さを見せてくれるベンダーは希少です。

 

また、同社は、ひとつの価値観、選択肢だけを示すのではなく、常に複数の選択肢を提案した上、それぞれの案のメリットデメリットを説明し、その上で私たちに最終選択を求めるという姿勢を見せてくれました。私たちとしてもしっかりした比較検討を経た上で、納得して仕様を決めることができました。

 

半年の議論、設計協議を経た後、開発に移り、1年後の2017年には新たなシステムとスマートフォン対応のホームページが完成しました。設計に十分時間をかけたので、私たちとしても十分納得できるシステムとサイトが完成したといえます。オーシャン・アンド・パートナーズに開発を依頼して、本当によかったと思っています。

 

 

今後の期待

オーシャン・アンド・パートナーズへの今後の期待をお聞かせください。

経済法令研究会は、引き続き金融業界向けに充実した教育サービスを提供してまいります。

そのためにはITシステムをこれまで以上に活用することが必要になります。オーシャン・アンド・パートナーズには弊社のITの取り組みを、優れた知見、提案を通じて、引き続き支えていただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

 

「今後もよろしくお願いいたします」

 


 本取材について

経済法令研究会のWebサイト

取材日時 2018年8月

取材制作:カスタマワイズ