日系グローバル企業と海をまたいだ開発に挑むarticle_kikuchi

2008年6月、オーシャンは業界の常識を覆すプロジェクトに挑戦した。そのプロジェクトとは日本とカナダで同時に行ったシステム開発。依頼主の菊池ファイナンシャルグループは、カナダに本社があり、日本のオーシャンと定期的にミーティングを重ねることは物理的に不可能だった。そこで、オーシャンは電話とメールのみでプロジェクトを進める。しかしIT業界では「システム開発というのは顧客と定期的にミーティングを行う」ことが常識とされ、電話とメールだけでプロジェクトを成功させるのは不可能だと言われていた。今回はそんな常識を覆したプロジェクトを追ってみた。

Profile

京谷 昌美(きょうや まさみ)

1957年、神奈川県生まれ。立教大学卒業後、1981年に株式会社電通に入社。ネスレ日本、日本マクドナルド、日本IBM、日本航空等のセールスプロモーション、マーケティングプランを担当。2004年に同社を退社し、カナダに移住。2005年に菊池ファイナンシャルグループに入社、2007年より現職。

 

他のシステム開発会社が失敗したプロジェクトを成功に導く

御社はオーシャンにどんなプロジェクトを依頼したのですか?

2008年6月に顧客管理システムの開発を依頼しました。具体的には世界中にある当社の支店から、いつでもインターネット上で最新の顧客データベースにアクセスできるというシステムです。

 

このシステム開発は技術的には実現可能でしたが、ひとつ難しい条件がありました。それは、当社の本拠がカナダにあるため、日本のシステム開発会社と直接会ってミーティングを重ねられない点です。日本とカナダで電話とメールだけで連絡を取り、海をまたいでプロジェクトを進めなければいけなかったんです。

 

実はオーシャンに依頼する1年前、同じプロジェクトを日本のシステム開発会社に依頼しました。しかし当社の意図がうまく伝わらずに結局失敗。そこで、私の前職である電通の知人から紹介を受け、オーシャンにプロジェクトを依頼したわけです。

 

日本 – カナダの国際プロジェクトが成功できた理由

どうして電話とメールだけで、プロジェクトを成功できたのでしょうか?

システムの設計面と開発面で、オーシャンが当社の意図を上手に汲んでくれたからだと思います。まず設計面では、オーシャンが約3ヶ月かけて現状システムの問題点、システムの理想イメージを電話とメールで徹底的にヒアリングしてくれました。メールのやり取りは3ヶ月間で数百通に上りました。やはり開発をいったんスタートさせると、後で設計を修正するのは難しい。ですから、オーシャンは「両社の納得いく設計ができるまでは、1行もプログラムを書かない」という姿勢でプロジェクトを進めてくれました。おかげで、両社が成果物の最終イメージを共有でき、その後のプロジェクトで方向性が大きくブレることもありませんでした。

 

次に開発面では、オーシャンが一流のエンジニアやデザイナーなどのプロフェッショナルを集めてくれました。彼らプロフェッショナルたちは、常に当社側の意図をシステムに反映させながら、迅速に開発を進めてくれました。結果、予定通りのコストと納期で、当社がイメージしていたとおりのシステムが完成したわけです。

 

今後、当社はこの優れたシステムを活用して、逆風が吹く金融業界の中で、さらなる売上の伸長を見込んでいます。今回のような難しい挑戦を快く引き受けてくれたオーシャンには心から感謝しています。

 

菊池ファイナンシャルグループ

設立 1980年

事業内容 カナダ・アメリカの生命保険代理店、STI学資積立プラン、アジア地区総代理店、オフショア金融商品の紹介、北米の金融商品紹介他

http://www.kikuchigroup.com/