スケジュールチャートだけでは実態が掴めないシステム開発事情

2019/04/11

どれだけ口酸っぱく工程管理を唱えても、炎上するプロジェクトはとことん炎上する

プロジェクト進捗を正確に掴むために、スケジュールチャート図における予定と実績の対比や、マイルストーンと残日数の把握、先行タスクと後続タスクとの相関把握など様々な手法が存在します。

しかし実際のシステム開発プロジェクト現場では、どれだけ口酸っぱく工程管理を唱えてチャート図を駆使しても、炎上するプロジェクトはとことん炎上しますし、そんなものが無くてもうまく行くものはうまくいきます。

この差は一体どこから生まれるのでしょうか。なぜチャート図だけでは実態をうまく掴めずに炎上してしまうのでしょうか。

チャート図に頼り切るシステム開発プロジェクトの進捗管理の限界

チャート図に頼り切るプロジェクト進捗管理には明確な限界があります。それは数値や線ではあくまでも目に見えない進捗を「可視化」するための表現手法であって、実態とどうしてもかけ離れてしまうこと、またそれをいくら定期進捗会議での口頭報告で補っても、辻褄合わせにしかならないことです。

極論を云えばサブタスクの開発進捗が90%と書かれていたとしても、先に述べたようなチャートに出てこない潜在リスクがあれば、90%が一気に10%という評価に転落することは普通にあり得ます。

定型化された流れ作業とは対局にあるITプロジェクトでは、科学的なアプローチだけでは克服できないポイントがあります。

チャートやリスク管理だけではカバーできない盲点、つまりクラアント側にとってのブラックボックスとは何かについて別コラムに記載します。

この記事を書いた人について

谷尾 薫
谷尾 薫
オーシャン・アンド・パートナーズ株式会社 代表取締役
協同組合シー・ソフトウェア(全省庁統一資格Aランク)代表理事

富士通、日本オラクル、フューチャーアーキテクト、独立系ベンチャーを経てオーシャン・アンド・パートナーズ株式会社を設立。2010年中小企業基盤整備機構「創業・ベンチャーフォーラム」にてチャレンジ事例100に選出。