クラウドソーシングが抱える3つの課題

「クラウドソーシング」
キュレーションメディアの炎上事件をきっかけに、よく耳にする言葉でないでしょうか。

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改めてこの言葉の意味を引いてみるとWikipediaでは

不特定多数の人の寄与を募り、必要とするサービス、アイデア、またはコンテンツを取得するプロセスである。

と定義されています。この「不特定多数の『人』」というのがミソで、企業が自社業務の一部を外部に委託する「アウトソーシング」が企業間取引であるのに対して、「クラウドソーシング」は企業と個人の間の取引という側面を持ちます。

Wikipediaには課題も指摘されています。

これまで、能力はありながら、地方在住者等で地域的、時間的、年齢的等の制約により都市部での企業での勤務が困難であった者にも機会が提供されるようになった。 その反面、面識の無い不特定多数と成果報酬形式で取引するため、達成率の数値化の困難な依頼内容によっては発注者、業務受託者間で認識の相違があり、係争に発展するリスクがあり、顕在化する事例も報告されている。

「クラウドソーシング」によってフルタイムで働けない人や地方在住の方にも均等な仕事機会がもたらされました。しかも委託契約の取引であるため、時間や場所の制約を受けずに働けるようになりました。「クラウドソーシング」以前も企業から個人への業務委託は行われていましたが、企業と個人とのマッチングサービスの出現によって一気に広まりました。しかしマスで一気に広がったことにより課題も浮き彫りになった格好です。

私が「企業と個人を直接繋げる」ことに感じる課題は下記3つです。

1.【企業の発注スキルの問題】

雇用や派遣活用といった常駐対応に慣れ親しんた企業にとって仕事を外に切り出すのは困難を伴う。発注者のスキル不足の緩衝される企業間取引と比べて問題が顕在化しやすい

2.【企業の発注プロセスの問題】

調達のコスト削減のための相見積りやコンペといった企業の商習慣を、対個人との取引に適用すべきかという倫理的な問題

3.【力関係の不均衡】

企業と個人の間の取引においては、発注側である企業に対して、受注側である個人は力関係が著しく劣る

実際には、

  • 仕事の依頼内容が曖昧なため、見積を受けてからの条件変更による再見積のループが発生する
  • 成約までの過程を企業側の論理に振り回されると、組織バッファを持たない個人は生活収入を犠牲にせざるを得ない。
  • 極端な売手市場が形成されており、受注者は厳しい価格競争にさらされやすい。

などの問題があります。この状況で個人を守る制度はありません。労働基準法のもとでは働き手が圧倒的に有利ですが、業務委託では働き手が法人であれ個人であれ企業間取引として扱われます。これが盲点です。

さらに「クラウドソーシング」はインターネットによって幅広く参加者を集めます。これによって発注側のスキルは玉石混合です。もちろん受注側のスキルも玉石混合ですが、発注者によって評価がなされて公開されることから淘汰されます。このような「良質」な発注者と「良質」ではない発注者が混在する市場です。

それだけではありません。発注者は「お金を支払う側」ですからマッチングサービスのような市場の上では優遇されやすい立場です。その有利さを盾に我がままにふるまう発注者があらわれても不思議ではありません。実際に、募集案件を取り下げて報酬を支払わずに提案のアイディアを抜き取って流用するケースが取り沙汰されたことがありました。

このような状況を放置してしまうと「クラウドソーシング」が育ちませんので、発注や選定にあたってのガイドラインを整えていわゆるフェアな取引を促すことが必須です。現在はその過度期であり、この先日も発注企業側の評価が公開されるようになったのは一歩前進といえます。

まず目指すところは「企業と個人が対等に渡り合える世界」です。その前提において「クラウドソーシング」が健全に育ちます。個人が主役である米国においてはすでに実現している事実です。その点、日本においては事情が異なりますから、企業-個人間のビジネスマッチングは一足飛びには行かないというのが私の考えです。まずは形として切り出しやすい業務から少しづつ普及していくことになるでしょう。

ただ「個人の働き方」はこの数年で様変わりすると確信します。従来のように会社に通勤するスタイルから、組織に所属せずに働く、時間や場所の成約を受けずに働く、への変容が一気に進みます。そのとき「クラウドソーシング」とは別の概念が出てきて背中を押すことになっているかも知れません。

現在「未来の働き方プロジェクト」という活動を準備しています。キーワードは「チームワーク」です。「クラウドソーシング」と言う言葉から連想するのは、まず「個人ワーク」でしょう。私のコンセプトは『「個人」が集まって「チーム」で仕事をする』というものです。仲間を募ってますので、ぜひ。

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